一人ひとりの声を、
「まちづくり」に活かしていく。
まちづくりの舞台裏
case #03
都市局 都市計画部 清水駅周辺整備課
主任主事 櫻井 国登
平成26年度採用

ワークショップでの意見を整備計画に反映する

市街地の「周辺整備」というと、一般的には「土木職をはじめとした技術職の仕事」というイメージが強いかもしれません。入庁前は、私もそう考えていました。しかし現在の部署に配属されて、それが単なる思い込みであることに気づきました。

私が最初に担当した仕事は、草薙駅周辺整備事業です。草薙駅の駅舎と南北自由通路の整備、南北駅前広場の整備など、草薙地区のこれからのまちづくりに深くかかわる事業です。
都市の基盤整備にあたっては、地域住民、商店、企業、自治会、教育機関など多くの市民の声に耳を傾けなければなりません。そのために、市民の方がそれぞれの立場から様々な意見を交わす、ワークショップが開催されます。

市職員としての私の業務は、毎月のように開催されるまちづくりのワークショップに参加し、市民の方の意見をうかがい、集約・調整し、整備計画としてまとめることでした。
ときには議論が白熱し、意見が衝突することも珍しくありません。しかしその根底には、「草薙を今よりもっと良いまちにしたい」という共通した思いがあります。市民の方一人ひとりの立場や気持ちを汲み取りながら周辺整備計画に反映すること。それが、私に求められた仕事でした。

平成28年9月、周辺整備事業の一つである「JR草薙駅橋上駅舎南北自由通路」が完成しました。今でも草薙駅で電車を降りるたびに、ワークショップに参加した方々の熱い思いと、意見を集約したときの苦労、また、それが実って自由通路が無事完成したときの喜びを思い出します。

リノベーションまちづくり@しみず事業

平成29年度に、草薙駅周辺の整備から清水駅周辺の整備に担当が変わりました。
近年、清水駅周辺の商店街はシャッターを閉めた店舗が目立つようになり、以前のような活気が見られなくなっています。しかしこの地域は「清水っ子」にとって「ソウルタウン」とも言える特別な場所です。「リノベーションまちづくり@しみず事業」は、そんな清水駅周辺のにぎわい創出のためにスタートしました。
リノベーションまちづくりは、まちづくりに熱い思いを抱く若者や起業・創業を目指す方々と行政とが連携し、空き家や空き店舗など、まちで使われていない遊休不動産を活用し、古民家をカフェに、店舗をオフィスに、といった新しい使い方を考え、再生することによって、遊休不動産が立地するエリアの価値を高め、にぎわいの創出を図るまちづくりの手法です。

今までのまちづくりは、まち全体の活性化を目的に、公共事業で「ハコモノ(施設)」をつくることが中心でした。一方、リノベーションまちづくりは、民間の力で「今あるもの(地域の資産)」を活用し、小さなエリアからの活性化を図ります。そのうえで、最終的にまち全体のにぎわい創出を目指します。
平成29年9月、リノベーションまちづくり@しみず事業の一環として、受講生を公募し、「リノベーションスクール」が開催されました。スクールでは、会社員、商店主、自営業、学生など、様々な市民の皆さんが、3日間で清水駅周辺の3件の遊休不動産について、具体的な再生プランを作成しました。

私も市職員の立場からスクールに参加しましたが、受講生の皆さんが清水のまちへの思いを熱く語りながら、様々なアイデアを出し合い、プランを練り上げていく姿に強い感銘を受けました。
最終日には、遊休不動産のオーナーの前で、図書館、カフェ、ハンバーガーショップの3案をプレゼンテーションしました。現在、事業化を目指して、それぞれの再生プランのブラッシュアップが進められています。

市民の皆さんのまちづくりへの思いをカタチに。

市職員として、草薙地区では主にハード・施設面から、清水地区ではソフト・アイデア面から市街地の整備事業に関わってきました。どちらの事業でも共通して感じたことは、市民の皆さんの「自分が住んでいるまち・自分が育ったまち」に対する深い愛情であり、まちの活性化を願う気持ちです。
まちづくりの主役は、あくまで市民一人ひとりです。
できるだけ多くの市民の意見やアイデアを聞き、そのまちづくりへの熱い思いを、都市整備の事業に反映させていくこと。それが私たち市職員の仕事であり、そのことに大きなやりがいと喜びを感じています。

櫻井 国登さんの配属先

平成26年度~
現所属

職場の後輩から、ひとこと
都市局 都市計画部 清水駅周辺整備課
技師(土木職) 日野 大樹

まちづくりの声をうかがうことで、技師としての視野が広がります。

リノベーションまちづくり@しみず事業については、櫻井さんが主担当になる前から、事業理解のための「シンポジウム」やまちに眠るお宝(=潜在資源)を調査し、活かし方を考え、提案する「トレジャーハンティング」に関わってきました。
技師というと、土木工事の設計・監理というイメージが強いかもしれません。しかし、この事業で私が担うのは、イベントの企画・運営、参加者の募集広報など、事務職のような業務が中心です。このような幅広いフィールドで仕事ができるのも、静岡市役所の技師の魅力だと思います。
事業を通じて清水のまちづくりへの様々な意見をうかがうことができ、幅広い視点を養うことができました。これから様々なまちづくりを進める仕事をしていくうえで、良い経験になったと感じています。

※掲載職員の所属・職位は平成30年3月現在のものです。

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