頑張るママに、
ひとときの「休息」を。
まちづくりの舞台裏
case #01
子ども未来局 子ども家庭課
保健師 渡邉 陽子
平成20年度採用

ママケアデイサービスの
事業化を推進

平成20年度、私は保健師として入庁し、保健福祉センターに配属されました。
静岡市には9箇所の保健福祉センターがあり、健康相談や保健指導など、地域の健康づくりのための様々な事業を行っています。ここで保健師として、妊婦さんや、乳幼児を持つお母さんから相談を受けたり、特定健診後の保健指導や高齢者の介護予防のための健康教育をしたりしてきました。

子ども未来局に配属されたのは、平成27年度です。子どもの福祉に関わる部署で、私は保護者が養育することが難しい「要保護児童」の支援業務などを担当してきました。

配属されてすぐに、子ども未来局で「ママケアデイサービス(ママケア)」の事業化を検討することになり、私はそのプロジェクトチームのメンバーとなりました。
ママケアのはじまりは、市長と子育て支援団体の方との意見交換の中で、「子育てを頑張るママにほっとする休息の時間が必要」という意見があったことがきっかけです。

以前の職場である保健福祉センターでも、「ごはんを落ち着いて座って食べられない」、「お風呂にゆっくりとつかることもできない」というお母さんたちの声は、よく耳にしていました。そのため、とても意義のある事業だと感じましたが、事業化するためにはいくつかの課題がありました。

静岡市は、いくつもの子育て支援事業を行っています。ママケアが従来の事業とどこが違うのか、どんな意義があるのかを明確にしなくてはなりません。

プロジェクトチームでは、子育て中の職員や他の子育て支援事業を担当している職員などの意見を聞きながら、市としてどのような事業にするべきかを検討しました。その結果、ママケアは、保育士などとの「相談」、お母さん同士の「交流」、お母さんの「休息」という3つのケアをワンストップで受けられる内容としました。

「休息」という視点は、いままでの子育て支援事業にはなかったもので、一部から「休息というのは贅沢ではないのか」という意見も出ました。しかし、保健福祉センターにいたとき、身体的・精神的に疲労感を抱えていても、周りの人たちに頼れずに頑張っているお母さんたちをたくさん見てきたので、絶対に必要だと訴えていきました。

ママたちから、喜びの声が続々

そして平成28年8月、全国自治体のなかでも先進的な子育て支援事業「ママケアデイサービス」がスタートしました。
市内の旅館やホテルを会場にして、4ヶ月~1歳までの乳幼児をもつお母さんたちを対象に、他の母子同士の「交流・遊びタイム」、保育士や子育て経験者との「相談タイム」、ゆっくりお風呂やお昼寝を楽しんでもらう「休息タイム」などのケアを提供しています。
参加者からは、「久しぶりにゆっくり入浴ができた」、「リフレッシュができて育児をまた頑張ることができる」、「ママケアでストレスを発散したら子どもがよりかわいく思えるようになった」など、ママケアを利用して良かったとの声をいただくことができました。

また、ママケアの好評を受けて、会場となった旅館・ホテルから「子育て層へのサービスを充実させたい」という動きが出ています。行政と企業・事業者が一体となって子育て支援を進める体制づくりにも、ママケアが役立っていくのではないかと期待しています。

現場の視点、市民の声からの子育て支援

私が入庁した頃は、保健師をはじめとした専門職が活躍する場所は「現場」であり、事業を企画立案することは、行政職としての様々なスキルが必要なため、「現場」とは遠い仕事のように考えていました。
しかし、ママケアを事業化して感じたことは、事業の企画立案には、「現場」の視点が欠かせないということです。

私たち保健師は、健康相談や保健指導などで市民と対面し、生の声を聞く機会に恵まれています。そんな“現場力”が保健師をはじめとした専門職の強みです。その経験を活かすことで、市民の目線に立った事業を企画立案できるのではないかと思います。
ママケアの事業化を通じて培った様々な経験や、企業・事業者、関係団体とのネットワークを活用し、これから保健師として市職員として、さらに市民の目線に立った子育て支援を進めていきたいと考えています。

渡邉 陽子さんの配属先

平成20年度~平成23年度
健康づくり推進課(H22~H23:駿河健康支援課) 大里保健福祉センター

平成24年度~平成26年度
葵健康支援課 東部保健福祉センター

平成27年度~
現所属

職場の先輩から、ひとこと
子ども未来局 子ども家庭課
副主幹 佐藤 淳子

子育ての切れ目ない支援をめざして

渡邉さんが4ヶ月から1歳児までのママケアを担当しているのに対して、私は生後4ヶ月未満の「産後ケア」を担当しています。子ども未来局では、妊娠中から子どもが18歳になるまで、子育ての切れ目ない支援を実施しています。

政令指定都市である静岡市には、保健所や児童相談所など、保健師の専門知識を活かせる場があります。また、子育て支援、児童福祉、学校教育、高齢者支援など、多彩なキャリアを積むことができるのも、魅力だと思います。

※掲載職員の所属・職位は平成30年3月現在のものです。

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