児童相談所では、子どもと家庭が抱える様々な問題について幅広く相談を受けています。児童虐待への対応として、子どもの安全を守るための緊急対応や一時保護、施設入所の決定など、子どもの人生を左右する重大な判断をすることも多く、責任ある仕事です。そのなかで心理職は、子どもの面接や検査、行動観察などを通して、なぜこうした問題が生じているのか、またそのメカニズムや背景にあるものについてアセスメントを行い、それをもとに支援をしています。
「すべては子どものために、一致団結して働いている」。これが児童相談所の魅力だと感じています。どんな場合も「子どもの福祉のために」という大きな理念は揺らぎませんが、職員によって考え方や支援の手立ては異なり、正解はひとつとも限りません。だからこそ、会議の場や空き時間を使って職員同士が知恵を持ち寄り対話を重ねること、それぞれの持ち味を活かしながら助け合うことが大切だと感じています。
担当者1人あるいは児童相談所だけで出来る支援は限られており、子どもの健やかな成長を支えるためには、地域や関係機関との協働が欠かせません。その際、それぞれの立場によって、持っている情報や見ている角度が違うということを忘れずに、相手へ敬意を持って接すること、相手の考えを知ろうとすることを心掛けています。何度も対話を重ねることで得られる信頼関係があってこそ、その先にようやく見えてくる光があるものだと実感しています。
思うようにいかないときや自分の考える理想と現実がかけ離れていると感じるとき、傷ついたり挫けそうになることがあるかもしれません。何かを目指す以上、どうしてもそのような経験を避けて通れないことがあります。ですが、本気で取り組んだ経験には価値がありますし、取り組む前の自分と比べてみれば必ず前進しています。これから出会うたくさんの人や仲間と学び合い、自分自身の成長に繋げていってください。皆さんと一緒に働けることを楽しみにしています。
※掲載職員の所属・職位は令和3年3月現在のものです。