私は大学進学をきっかけに東京での生活を経験した中で、生まれ育った静岡市の人の温かさや温暖な気候、豊かな自然といった魅力に改めて気づきました。進路を考えたとき、自分の大好きな静岡市で、大学で得た保健師の知識を活かして市民の皆さんの健康を支えたいと思うようになりました。
静岡市には9か所の保健福祉センターがあります。私は保健福祉センターで働く保健師として、地域における幅広い世代の方を対象とした健康相談、健康教育、幼児健診などを通じ、健康増進や疾病予防のための業務を担当しています。子育てや心身の不調など多くの相談を受けますが、「相談できてよかった」「安心できた」といった前向きな言葉をいただけると、保健師としての自身の役割を実感でき嬉しく思います。
これまでの経験の中で、生活習慣病のリスクが高いにもかかわらず、なかなか生活改善に至らない住民への関わり方で悩んだことがありました。そのとき、疾病予防の知識をこちらから一方的に伝えるのではなく、相手の話をよく聴き、その方の生活環境を理解しながら、その中で出来ることを一緒に考える姿勢を持つことの大切さを学びました。
現在の職場はコミュニケーションが取りやすく、上司や同僚が親身になって話を聞いてくれるため、業務の進め方などで困ったことがあれば気軽に相談することができます。また、仕事に対する自分の考えや思いもはっきりと伝えられる安心感のある職場です。
保健福祉センターで働く保健師は担当地区を受け持つため、民生委員をはじめとする地域の方々と接する機会があり、学ぶことも多くあります。また、地域保健以外の業務を行う部署への異動もあるため、様々な業務経験を通じて、保健師としての力を身につけていくことができます。
就職する前からでも、自分の強みや得意分野を見つけ、身につけておくと、自信につながり仕事でも活用できると思います。私は学生時代にパソコン技能の資格を取得したことで、データ分析やチラシの作成などの場面で、そのスキルを活かすことができています。
看護職としての学びを通して、地域保健の担い手である保健師という仕事に、興味を持っていただけたら嬉しいです。