私は大学4年間を県外で過ごしましたが、就職するに当たっては、「生まれ育った地元に帰って、地域に貢献したい」と考えていました。その中で「消防士になろう」と決めた理由は、直接困っている人を助けることができ、そのことを通じて地域に貢献できると考えたからです。
消防士は、事故や火災などの災害に備えて24時間いつでも出動できる態勢を整えており、私たちの仕事が住民の皆さんの安心安全につながることにやりがいを感じます。また災害現場では、住民の皆さんに一番近い立場で心の支えになれることも魅力の一つだと思います。
消防士は、現場で活動するためには資機材の正しい取扱いや車両にある収納場所の把握など、必ず覚えなければならないことが多くあります。また、予防業務では、根拠となる法律や規則が異なるため、幅広い知識が必要になります。消防士になり、災害現場での活動のほかに、事務処理業務の多さにも驚きましたが、早く一つ一つの仕事に慣れるよう、日々励んでいます。
その一方で、職場はオンとオフの切り替えがはっきりしています。住民の皆さんの命や財産を守るため、日頃の訓練や出動先の現場では先輩消防士から厳しい指導を受けることもありますが、業務外ではお互いの趣味の話もするなど、明るく楽しい雰囲気の職場です。
消防士は、常に緊張感を持ちながら災害現場での活動に当たっています。現場での活動が終わったとき、住民の皆さんから「お疲れ様です。」と声を掛けていただいたときは、人の役に立つことができたことを実感でき、とても嬉しいです。この言葉を励みに、これからも知識を習得し、経験を積み、消防士としての自分を磨いていきたいです。
また、学生の皆さんに一つアドバイスがあるとすれば、言葉遣いについてです。私は就職活動中の面接練習の際に、「社会人としての話し方ができていない」と指摘を受けたことがありました。学生生活を楽しむことはもちろんですが、就職を意識する時期が来たら、こうした言葉遣いも意識して、社会人になる準備をするといいのではないでしょうか。