社会人として自分に何ができるだろうと考えていたときに、小中学校事務職という仕事の存在を知りました。子どもの頃から静岡市で暮らしてきた私は、このまちに暮らす小中学生の学校生活や学校運営が、教員とは異なる立場からどのように支えられてきたのか知りたいと思い、この仕事を志望しました。
小中学校事務職は、教員はもちろんのこと、保護者の方々と関わる機会も多くあります。職場を異動することが決まった際に、事務手続のために来校された保護者の方が、「荒さんがいつも笑顔で接してくれたことが本当に嬉しかったです。」と声を掛けてくださり、自分の仕事を誇りに思いました。
小中学校事務職の正規職員は、多くの場合1校に1人であるため、採用されたその日から、所属する学校の事務を統括する立場になります。私自身、採用後数年間は、学校施設の修繕管理から教員の給与に関する事務に至るまで、幅広い業務の知識を一通り身につけることに苦労しました。
私が仕事をするうえで意識していることは、一緒に働く教員との情報共有です。普段私がいる事務室と職員室は離れた場所に位置していますが、度々行き来したり、定期的に会議を行うことで様々な情報をやり取りしています。また、他校の事務職同士の連携として月に数回情報交換や事務処理を行う「共同実施」という仕組みもあるため、学校内外で困ったことを相談できる体制が整っています。
市の小中学校事務職として働いて、自分の暮らしが多くの人に支えられていることに改めて気づきました。自分の仕事が、子どもたち、保護者、教員など、多くの皆さんの「当たり前の日常」を支えることに繋がるということが、この仕事のやりがいであると思います。
小中学校事務職の仕事は様々な分野に及びます。例えば、私自身のIT機器に関する知識が、学校備品の購入の際に役立った経験がありました。皆さんもぜひ学生のうちから様々な体験を積み、知識を広げることに挑戦してみてください。