動物園で働きたいという想いが強く、就職活動では全国の動物園を受験していました。神奈川県の動物園で非常勤嘱託職員として働いていたとき、動物関係の講演会を聴講した際に静岡市職員の方にお会いし、静岡市役所で獣医師の募集があることを知り受験しました。
県外出身のため、初めて静岡市に住むことになりましたが、温暖な気候と豊かな自然がすぐそばにある環境で、穏やかに過ごすことができるまちです。市民との距離も近く、誰かの役に立っていると実感できるのが魅力です。
私の主な仕事は、日本平動物園の展示動物と野生傷病鳥獣の健康管理です。ある日、園で飼育している高齢のサルが苦しそうにしていたので検査したところ、鼠径ヘルニアを患っていることがわかり、緊急手術しました。園内にある動物病院の獣医師と飼育員みんなで懸命に介護を行った結果、無事回復してくれたことが嬉しかったです。動物の命の大切さを日々実感しています。
動物の健康管理は、獣医師、飼育員だけでなく、園の施設管理を行う技術職や運営を行う事務職などの職員の支えがあってこそ成り立つものです。様々な職種の職員が、それぞれの持つ専門性を生かして協力しながら仕事に取り組んでいます。
私はもともと動物園を志望しており、行政職員としての獣医師を目指したわけではありませんでしたが、静岡市役所で20年働いたいま、その必要性を実感しています。園での臨床業務以外に、食中毒予防や人と動物が住みやすいまちづくりなど、縁の下の力持ちとなるような目立ちにくい仕事ですが、人と動物の両方の健康を守るのになくてはならない重要な仕事です。長く働くという意味でも、生活環境の整った静岡市は最適です。獣医師として働きたいと考えている方は、どうぞ静岡市へお越しください。