栄養士として、給食の献立作成や衛生管理、アレルギー対応、学校での食育の授業などを担当しています。門屋学校給食センターでは、1日に約7,500食、24校の小中学校に給食を届けています。給食センターには私のほかに3人の栄養士がおり、献立は全員で相談して作成します。互いに「しずまえの魚はどうかな」、「星形のマカロニを使用すると楽しいのでは」などの意見を出し合い、楽しみながら献立を考えています。
学校に行った時に子どもたちから、「給食おいしいよ」、「毎日、全部食べてるよ」と笑顔で言われると、「この献立にしてよかったな」、「もっと工夫してみようかな」ととても励みになります。
地産地消を進めるためにも、できる限り地元の食材を使用したいのですが、給食センターで使用する量を確保するのはなかなか大変です。麻機のチャレンジ蓮根は、農家さんと交渉してようやく使用できるようになりました。食材が確保できても、おいしいだけでは献立として成り立ちません。栄養価はもちろん、調理場の設備や調理時間など安全に給食を提供できるかということにも配慮し、何度も試作を重ね、全てをクリアして、麻機のチャレンジ蓮根を使用した「鶏つくね」を提供することができました。学校からも「近くで栽培されていることを知らなかった」、「シャキシャキしておいしかった」など、喜びの声をいただけて本当に嬉しかったです。
小中学生は大きく成長する大事な時期です。子どもたちがワクワクするような給食を提供できるよう、学校に行った時には、配膳や食事の様子を見ること、好きなメニューや苦手なメニューを聞くことなどを通して、子どもたちの様子を知ることを心がけています。
私は、子どもを2人育てながら管理栄養士の資格を取り、静岡市に就職しました。離乳食をあげたり、小学校の給食試食会に出席したりといった子育ての経験が、今の仕事にも生かせています。皆さんには、「まずやってみる」の精神で、色々なことに挑戦してほしいと思います。