公共建築課では、小中学校や消防署、観光施設といった様々な公共施設の工事に係る設計及び工事監理を担当しています。CADを操作したり、工事現場を確認したりと、建築職としての技術力が求められる職場ですので、経験豊富な先輩方に相談しながら、その現場における適切な工法を検討しています。
異動して初めて担当した改修工事では、設計書の作成や工法選定の経験が不足していたので、実測や劣化状況の調査のために現地に行き、適切な工法を調べることを何度も何度も繰り返しました。また、工事監理中には、施工業者や職場の先輩方にも意見を聞くなど、より良い施工方法を模索しながら進めたので、工事が無事に完了し、機能や意匠が回復した建物を見たときはうれしかったです。
設計及び工事監理に関する課内ルールを定めたマニュアルの更新はかなり大変な作業でした。職員はマニュアルに基づいて設計や工事監理を行うため、建築工事を取り巻く社会環境の変化に対応した内容でなければなりません。私が担当した更新作業では、法令改正によるアスベストの規制強化にどう対応するか、環境に配慮した建物をどのように目指すか、などをまとめる必要がありました。法令や国の資料を調べながら進めていたところ、初めて聞く用語もあって自分の知識不足を実感しましたが、それを他の職員にも分かりやすい表現とするよう工夫することで、良いものを作れたと感じています。今後は、日頃からアンテナを高くし新しいことにも積極的に取り組んでいきたいと感じました。
新職員として配属された建築総務課では、良好な景観形成の推進やユニバーサルデザインに関する業務に携わっていました。現在の課で建物の色を決める際、建物単体ではなく地域全体への影響を考えること、誰もが使いやすい施設になっているか検討することなどに、建築総務課で得た知識・経験が生きています。
建築職は技術系の専門職ですが、設計、工事、建築基準法、都市計画、住生活施策等、業務の幅は広く、自分の引き出しが増えていく手応えを感じられるところが魅力です。そして、市民の安全・安心という大きな目標に向かって、全ての業務が一つにつながっているなと思います。