高齢介護課では、高齢者の相談を受けるケースワーカーの仕事をしています。区役所の窓口で相談を受けるだけでなく、地域包括支援センターや警察、民生委員などからの情報を得て、現場も訪問します。
相談内容は、病気や認知症など体調に関すること、虐待など家族関係に関すること、金銭問題など様々で、問題が複合的に生じている場合もあります。一つ解決すれば改善するものではないため、常に相手の気持ちに寄り添い、関係機関とも協力しながら支援を進めます。相手に喜ばれる対応ができた時はやりがいを実感できますし、その経験が人脈を広げ、次の方を支援する力になります。
高齢者ご本人がうまく話せず、ご家族から話を伺った際、支援内容に反発を受けたことがありました。必要な支援を見極めるためには、言葉にならない本人の状況やとりまく環境を把握し、どのような機関と連携していくのか判断しなければなりません。こうした場面で役に立ったのは、前の所属である地域包括ケア推進本部(現:地域包括ケア・誰もが活躍推進本部)での経験でした。
地域包括ケア推進本部では、これからの高齢者社会のあり方を考える業務に携わる中で、地域住民や地域で活躍されている専門家など、本当に多くの方のお話を聞くことができ、知識量が増え、人脈も広がりました。この財産が、現在の高齢介護課での業務に大きな助けとなっています。
人々の暮らしは様々で、楽しんでいる人も困っている人もいます。市役所の福祉職は、困っている人が少しでも楽しく暮らせるように手助けをするのが仕事です。演劇の黒子のようなイメージです。福祉職をめざす皆さんには、高齢者、子ども、障がい者、いろいろな方の目線になって考えていただくこと、福祉に関する「介護保険」や「高齢化率」などのニュースにアンテナを高くしておくことをお勧めします。
私自身、いろいろな方との出会いを大切にしながら、聴く力、伝える力をもっと身に付けて、福祉職としてさらに成長していきたいと思います。