児童相談所は、児童福祉法に基づいて児童の福祉を守るため18歳未満のこどもに関する様々な相談に応じています。私が所属する初動係は、児童相談所に入る泣き声通告や虐待通告、警察からの通告に対して、状況確認や家庭訪問、こどもや父母との面談等、係の名のとおり、案件の一番初期の対応をしています。
児童相談所としての判断が求められるため、どのように対応すべきかを、係や職種の枠を超えて多職種で協議することで、自分がどのように動けば良いかよく考えた上で安心して対応できます。また、経験豊富な先輩方ばかりのため、対応の仕方やこどもに関する制度や知識、情報を日々教えてもらい、業務に生かしています。
私が現在担当している業務は、相談意欲のある方々ばかりを対象としているわけではありません。児童相談所や行政に対して協力的でない方もいます。家庭訪問や面談では相手の様子を見ながら、どのように話を進めていけば良いのかを常に考え、場合によっては何か提供できる情報はないかなど、事前に打合せをしてから対応しています。ケースによって家庭環境や生活状況がそれぞれ異なるので、知識を生かしながら多職種で検討しています。
児童相談所での業務は1年目でまだ勉強中ですが、これからも様々なケースに向き合いながら自分の知識や経験を増やしていきたいと思っています。
これまでの異動歴の中で高齢者や障がいのある方など様々な方の支援に携わってきましたが、支援内容についてご家族からの納得が得られないということもありました。支援は、支援対象者本人のためのものですが、金銭面など本人だけでなくご家族にも影響することがあります。そのため、ご家族の声にも耳を傾け、より適切な支援は何かということを一緒に考えていくことが大切だと感じました。また、受診が必要な状況にも関わらず受診ができていない方をどのように医療につなげるか、医療機関の担当者と調整したり、場合によっては警察の協力を仰いだりすることもあります。苦労したこともありましたが、どの経験も今の自分の糧になっていると思っています。
精神職の仕事は、精神保健分野に限らず活躍の幅が広がっており、求められる知識やスキルも様々です。学生のうちに多くのことを経験し、アンテナを高く持てると良いのではないでしょうか。
※掲載職員の所属・職位は令和7年2月現在のものです。